コロナウイルスの影響⁈21卒の就活は二極化。内定率は過去最高

リクルートキャリアの研究機関、就職みらい研究所の発表によると4/1時点、2021年卒就活の内定率は31.3%で、前年同月比9.8%増の過去最高値となったそうです。

 

キャリタスを運営するディスコ社の調査でも、34.7%であったため、就活生の1/3の方が内定を得ているということなのでしょう。

 

しかし、内定率の割合だけを見て、変に焦る必要はありません

 

本日のコラムでは、21卒の就活生や、企業側の状況、今後の就活の動きなどについて就プラ独自の視点を加えつつ、解説致します

 

※長文となりますので、必要なところだけ参考にして頂ければ幸いです。

 

「就活応援プラットフォーム」(就プラ)は、「働く」ことのイメージを広げ、自分の将来やキャリアについて考える機会を提供するために作られた新卒中心の就活支援スペースです。過去に3万人以上の就活生が利用しています。

■目次

【1】リクルートキャリア社のデータおよび解説

業界により内定率に大きな差あり…

 

【2】学生側の状況

・活動時期により進捗が二極化

 

【3】企業側の状況

採用活動を少なくとも一部見合わせている企業が7割

・採用計画の下方修正企業もあり

 

【4】大学など教育機関の状況

・学内での説明会などを延期措置

 

【5】就活生が今できること

・内定に向けて出来ること

 

【1】リクルートキャリア社のデータおよび解説

以下の2つのデータは、リクルートキャリア社が昨日(4/14)発表した資料から転載したものです。

 

先日、ディスコ社が内定率を発表した後、その数値に疑問を感じた学生がTwitterで独自に内定率に関するアンケートを収集していましたが、瞬く間に拡散が広がり、1万人程度のアンケートが集まっていました。(行動力のある就活生で関心致しました)

 

そちらでも約3割が内定保持という数値でしたので、数値自体は一般的な就活生の声含めて、信ぴょう性が高い数値であると感じています。

 

就プラとして着目した点

業界により内定率の進捗に大きな差が出ています。内定先取得企業の業種のグラフを確認する限りでは、

 

「情報通信」、「サービス」が全体のうち40%弱となり、

 

全体の数値を引き上げているとも読み取れます。(例年、比較的内定率が高い業界です)

 

就活生の皆さんへのアドバイスとしては、

内定率3割以上という数値だけに踊らせることなく、自らが希望する業界の内定率を確認するようにしてください。

 

(データが見にくいかたはこちら

 

【2】学生側の状況

学生側の状況としては、はっきり二極化していると就プラは感じています。分岐の要因は就活の開始時期です。

 

(1)3年生になって夏のインターンシップ頃から積極的に動いた就活生

3年生になってすぐの夏のインターンシップから積極的に動いてきた学生は、内定を保有している1/3側に含まれている割合がやはり高いです。

 

(2)3月頃からエントリーを開始し出した就活生

コロナウイルスの影響の影響により、新規の説明会の開催や来社型の面接等を企業側が一時的に控えているため、選考を進められる会社が減っている状況です。エントリーは可能であるが、その後の選考が組まれにくいと、就活生から相談を頂くことが就プラでも増えています。

 

【補足】21卒の採用広報ルール現在の採用活動のルールは、3年生の3月1日に広報活動の開始となっています。ここから会社説明会が開始できることになっています。

そして、4年生の6月1日に選考活動の開始となっています。ここから面接が開始できるのです。面接をしないと内々定が出せないことになっています。

しかし、実際は多くの企業が6月1日よりも前に「面談」と称して、実質、面接をしています。

【3】企業側の状況

内定率が過去最高になったことは、新型コロナウイルスの影響で、4月以降の企業活動が停滞するかもしれない、という危惧から採用活動を早めに行った結果だと、就プラとしては考えています。

就プラと関係性の強い企業様の状況を聞いていても、新規での説明会開催などを進めたというわけではなく、過去インターンシップなどで既に接点を持っていた就活生にWebツール等で面接を急ぎ実施したというところが大半でした。

以下は、ディスコ社が3月末に発表した企業側への採用状況調査データの一部転載です。

 

データからは、2021年春に卒業予定の学生の新卒採用について3月下旬の採用活動を

 

「少なくとも一部見合わせている企業が7割に上る」

 

「採用計画を下方修正する見込みの企業も9%ある」

 

ということが読み取れます。

 

また、21年卒採用への危機感は「かなり危機感がある」(34%)と「やや危機感がある」(57.5%)としており、を合わせて9割を超えています。

 

 

そして、「もともと1次選考をウェブ上で実施する予定だったが、最終面接までオンラインで実施する方向で検討を進めている」(大手電機メーカーの人事)という企業側の声もあり、従来の採用手法を見直さざるを得ないと考えている企業も多いようです。

 

なお、こちらは3月末時点のアンケート結果に基づくものですので、緊急事態宣言が出た現在はもう少し事態が深刻化しているものと予測しています。

 

しかし、21卒の採用活動を中止するというは企業は現状では少なく、一部の企業が縮小、延期という程度だと就プラとしては考えています。

 

【4】大学など教育機関の状況

教育機関側も構内への立ち入りや、新学期開始を5月のGW明け以降としているところが多いようです。思い切った決断をしているところは夏頃まで構内への立ち入り禁止として、オンライン授業対応などとしています。

 

状況を見つつ、学内説明会などを開催していくことは予想されますが、コロナウイルスの影響が落ち着く時期は、民間企業の合同企業説明会や企業ごとの会社説明会なども、一斉に動き出していくでしょうから、学校主催の説明会に参加できる企業数は少ない可能性も考えられます。学校側の支援に過度な期待をすることは禁物です。

 

【5】就活生が今できること

今更かも知れませんが、今できることは、Webツールのフル活用した就活および6月に向けた準備です。

 

今の情勢からすると、6月以降も企業側の選考がオンライン対応となる可能性が十分あり得ます

 

でも、視点を変えれば、今の時期はOB・OGなども在宅勤務者が増え、コンタクトがしやすい状況です。連絡を取ることが出来ればアドバイスを頂いたり、現在の会社内の状況を確認することが出来るかも知れません。

 

また、就職支援を手掛けるエージェントでWeb上で相談可能なところはフル活用しましょう。

 

就活生が今できること
(1)Webの説明会や面接ツールに慣れておく

(2)Webの学力試験や、適性検査等の対策をする

(3)履歴書などの書きだめをしておく(志望動機と記入日以外)

(4)コロナウイルス終息後に、どの業界に狙いを定め活動するのかを今のうちに固めておく
(短期決戦になることが予想されます)

(5)OB・OGに連絡をとり、Webや電話などで情報収集を進める

(6)Web上で支援を受けられるエージェントなどを活用し、選考準備や受験できる企業数を増やす